慢性化した症状

オステオパシーでは、関節、靭帯、筋膜、筋肉、骨組織、間膜、内臓の制限、脳や脊髄をおおう硬膜の制限、リンパ液や血管の循環障害、自律神経の乱れ、手術や怪我の瘢痕化した組織や、外傷後のトラウマ、感情的な制限にもアプローチができるため慢性化している症状に対して、対応できる幅が圧倒的に広いのが特徴です。

慢性的な症状の場合、ご自分では症状に気がついていない場合もあります。なぜなら慢性化していきまでには少し時間がかかり、徐々に少しづつ慢性化が進んでいくため気が付きにくいのです。よくクライアント様で、「こんなに身体って軽いのね」「こんなに呼吸てしやすかったのね」など、施術前には動いていなかった部分(慢性化していた)が動くことによって体感の変化に驚かれる方がおられます。これはまさに、日々の積み重ねで進んで行く慢性的な症状は制限が取れて気がつくということを表しています。

 

では、なぜ慢性的な症状が現れるのでしょうか。

姿勢やバランスの崩れが一つの原因として考えられます。

生活する環境は全ての人で皆な同じではありません。体型、骨格、生活様式、仕事、食事、育ってきた環境、癖、一人一人異なった生活、身体の使い方をしています。しかし全ての人に共通する点が一つあり、それは「重力」が働いている上で生活しているということです。この重力に対して身体の負担が少なく無理なく動ける重力線というラインがあります。全ての人が同じではありませんがおおよそのラインが、外耳道 (耳穴), 上腕骨頭 (肩), 第3腰椎中央 (腰), 大腿骨頭 (股関節), 膝の中央の直後, 外果の直前 (足首)を通る重力ラインがあり重力線と呼ばれています。この重力線の上で生活をしていると何が起こるかというと、バランスの取れている状態で生活できるので、余計な筋力や力を必要としないということです。

例えば、背中が丸く前傾姿勢になったとしてもかかる重力は変わりませんので、どこかに負荷が強くかかります。丸まった背中を戻そうとすると、背中の筋肉に負担がかかりますし、頭部や頸部が代償してバランスを取ろうとすれば、首や肩周りに負担がかかり、この状態が長期に渡ると慢性化していき機能制限となっていきます。

整体やマッサージなどでは、この慢性化や機能制限に対し表層の部分や、筋組織のみに焦点を当てていることが多いため、表層の制限しか取れず原因にアプローチできないため症状を繰り返し発症させてしまうことになります。オステオパシーではこの根本の原因に対して筋肉や骨格、神経系や内臓の制限などホリスティックに幅広い範囲から原因を探し出し改善を試みて行きます。